先日、5号の通う日本人学校の付属幼稚園で、餅つきが行われた。
私も手伝いにいったけれど、日本でやるのとは勝手が違い、蒸し加減とか水加減とかつき加減とか、なかなか微妙で難しかった。と、いかにも知ったふうなことを言ってみたが、よく考えたら日本ででさえほとんどやったことがなかった。
でもま、出来上った餅はそこそこおいしく、子供たちはとても喜んでたくさん食べてくれたのでよかった。ここでは日本の餅はたいへんに高価(よくある1kgパックで2千円以上する)で、滅多に食べられないので、「餅らしきもの」なら何でも喜ぶ、とも言えるが。
前にコメントでも指摘されたように、ここには日本以上に日本的行事があるかもしれない。書き初め、七夕、勧進帳。海外にいるからこそ、子供たちに四季のある日本の文化を経験させたいという思いが強くなるのだろう。その一心で、写真のような臼をはじめ、入手困難であろう日本の道具や材料を揃えてこられた先生方や日本人社会のみなさんには頭が下がる。
そういえば、1号の卒業式の衣装も純和風に決まった。
小中とも私服であること、安く服が作れること、セレモニーにはちゃんとドレスアップする習慣があることなどから、毎年卒業生はおそろいで衣装を作ることが多い。大抵は、ここの特産であるバティック(ジャワ更紗)を使う。小学校を卒業する2号は、みんなでバティックのシャツを作った。
さて、中学校を卒業する1号。女子4人だけの学年、しかも中学卒業生に女子がいるのは3年ぶりということで、華やかにしたいね、と話していたら、チャイニーズ・ママが「はかまはどう?」と言い出した。以前友人のお子さんが着ていたのを見たらしい。
実は、この4人のうち、うち以外の3人はすべてインドネシアや中国などの国際結婚家庭の子女。みんなはかまという提案に大喜び、即決定となった。
日本人学校に通う国際結婚家庭は、日本人以上に日本への思い入れが強いように思う。憧れ、と言ってもいいかもしれない。特にイネ人にとっては、レベルも授業料も高い日本人学校に子供を通わせていることは、ステイタスでもあるようだ。
以前、こんなことがあった。
PTAの仕事で、エコバッグを作った。刺繍で学校名を入れる段になり、日本人は、せっかくだからインドネシア語「Sekolah Jepang」で入れようと提案。が、イネママたちが反対し、せっかくだから日本語「日本人学校」で入れようと言う。と今度は日本人が反対。結局、間を取って(シンガポールあたりか?)英語「Japanese School」で入れた。
それぞれ自国への微妙な距離感が垣間見えて、おもしろかった。
確かに、「日本人学校」って縫い取りの入ったバッグ、日本じゃちょっと使えないよね。
さて、はかまである。
決まってから、はたと気づいた。繰り返すが、「実は、この4人のうち、うち以外の3人はすべてインドネシアや中国などの国際結婚家庭の子女。」
つまり、母親は中国人2人に、インドネシア人1人。みんな、「ところでどっからどこまではかま?」みたいな状態。もっと悪いことに、どうやら「日本人ならみんなはかまが着られる」と思っているらしい。
し、しかたない。
剣道初段および成人式&大学の卒業式にはかま着用歴があるだけの私が、それ以前に日本人であるというだけで、主婦の友社刊『かんたん着付けと帯結び』に首っ引きで準備すること2ヶ月。ようやく試着にこぎつけた。
ご覧の通り、まだ首元と足元が未完成。
どなたか、はかまの着付けのアドバイスがあったらください。
あと身近な外国人に、「日本人もはかまは滅多に着ないし、餅もつかない」って教えといてください。
餅つきもはかまも、きっとたまにだからいいんだと思う。
中2人の着物はバティックで作りました
上下(?)で3千円くらいでできちゃいます
(1号は赤い着物)
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