大方の予想を裏切り、実にあっさりと幼稚園生活をスタートさせた5号。
園に着くと、さっさと靴を履き替え、お手拭タオルをフックにかけ、弁当・水筒をカゴに入れ、出席カードにシールを貼り、「じゃあね」と声をかけられて初めて私がそこにいたことに気がついたように振り向き、ニコッと笑って「バイバイ」と手を振る。
おまえ、だましたな。私がそばにいないと何もできないと思っていたのに。
靴も靴下もはかせてやっていたのに。
「ミンタ・スス~」(牛乳ちょうだい)の一言で、牛乳汲んでやっていたのに。
4号に「5号だけずるい」と言われたら、「だって5号は4号の4つも下でしょ」と返していたのに。のに。のに。
確かに年齢差は4つなんだけど、気がつけば5号も4歳だった。
そういえば、
1号が4歳の時には、1歳の2号を風呂に入れていた。自宅玄関で産み落とされた3号の介助をしたのも4歳の時だった。そりゃずるいよな。
そんな内弁慶ならぬ
「内赤ん坊」5号の、意外な弱点発見。
「予定外」に異常に弱い。お手拭タオルを忘れた、上靴がいつもと違う、そんなささいなきっかけで、たちまち赤ん坊バージョンに戻る。糸の切れた操り人形のごとく、私のひざに倒れこみ、ぷっつりと動かなくなる。幼稚園児バージョンに戻すまで、ひと苦労だ。
中でも最もダメージが大きい「予定外」は、大好きなCちゃんが来ないこと。
Cちゃんは夫の同僚のお嬢さんで、5号と同い年。2年前にいっしょにここに来た、いわば幼馴染である。我が家の家系では逆立ちしても出てこないパッチリ二重に長いまつ毛、お人形のような美少女だ。
Cちゃんがお休みと分かった瞬間、5号はものすごくわかりやすく赤ちゃんMAX状態に突入。私にしがみついて離れない、玄関まで追いかけてきて号泣する。まさに別人である。
「5号くんもやっぱりママじゃないとダメなんですね」なんて幼稚園の先生にヘンな慰め方をされる。
いや先生、
違うと思います。結局、荒れ狂う5号を置き去りにして帰宅。
その後、彼が機嫌を直したきっかけが、先生が作った
「5号&Cちゃん人形」(写真)だったと聞いた時には、こっちが暴れそうになった。
ええ私、人形(30代イネ人女性作成、3歳女児モデル、空き箱利用)に負けました。その後、人形は5号によりセロテープで大事にコーティングされている。
歳のいった母と、3人の姉と、2人のメイドさんに甘やかされて育った男はどうやら、「女」なしでは生きていけない男になってるらしい。
こんなはずでは。

いっしょに映っているのは4号の母の日のプレゼント
「何がほしい?」と聞かれた時ちょうどくわばたりえ結婚のニュースがネットに出ていて
「コアリズムのDVDかな」と言ったらこれをくれた
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