2008-07-18(Fri) 11:24:18
彼のぶすっと攻撃には、もう慣れている。
疲れてたり、面白くないことがあったりするとすぐ顔に出る。その代わり、根が明るいのですぐに忘れる。放っておけばいつも勝手に浮上してくるので、そのまま放っておいたが、さすがに今回は粘る。 そして3日目。 朝、5分くらい遅刻してきた。 おまけに、子ども達を学校に送って戻ったら、「今から2時まで抜けていいか?」と言う。我が子の学校の面談があるらしい。その日私は1時に学校に行く用事があったし、そんなことを直前になって言われても困る。「12時半までならいいよ。」と言って出した。 はぶてる(山口弁で「拗ねる」「不機嫌になる」)気持ちもわかるが、それはそれ、これはこれである。 午後、車中で2人になった時に「時間には遅れないでね。」と言うと、彼は堰を切ったように一気にまくし立てた。 「毎晩気になって眠れないんだ。昨日もビールを飲んだけど3時まで寝られなかった。だから朝起きられなかった。 僕は絶対に、人前でお金を見せたりしていない。第一、給料は右から左(ローン支払いのため)で、見せるお金がどこにあるって言うんだ。ほら、財布の中にもこれしか入ってない(と言って自分の財布の中身を見せる)。もしかしたら、ママさんが買い物や支払いを僕に頼むところを見て、誤解したのかもしれない。 インドネシア人は嫉妬深い。みんな雇用主に不満を持ってるのに、僕は仲良くやってるからねたまれてるんだ。 もうそんな職場では働けない。奥さんとも話したけど、職場を変わろうかと思う。」 彼の「辞める」攻撃にも慣れた。 引越したばかりの頃は、一軒家の管理に自信がなかったし、大家さんが彼の紹介だったこともあり、辞められたら困ると思って引き止めもした。運転手以外の仕事をしてもらっているということで、手当もつけた。でもこの頃は、大家さんとの意思の疎通も何とかなってきたし、待遇面でも誠意は尽くしてきたつもりだ。 こっちが折れなければならない負い目はない。 眠れないほど悩んでいることはかわいそうだとは思う。だが、それは彼自身が越えなければならない壁だと、私の中で突き放す。自分にやましいことがないのなら、堂々としていればいい。 「わかった、私はHさんを信じるよ。」と受ける。 ところが、私がどうしてもネタ元を吐かないことに、彼はさらにカッとなったようだ。 「ママさんが教えてくれないのなら、こっちにも考えがある。僕はいつでも、ガソリンを抜いたり、車を売って逃げたりすることだってできるんだ。」 雇用主を脅すか。 そうまで言われては私も黙っていられない。たぶん、1年半で初めて、強い調子でことばを投げ返した。ただし、同じ失敗は繰り返さないよう、言葉を選びながら。 「私、言いたくない。 私、あなた、信じる。あなた、気をつける。それで問題ない。人、嫉妬したい、どうぞ嫉妬してください。 あなた、(仕事)替える。あなた、いい(状態になる)、人、また嫉妬する。また替える。嫉妬する、替える、嫉妬する、替える。もしそうしたいなら、どうぞ。 私も夫もあなたが好き、だけど、仕方ないね。」 選択肢がものすごく狭いので、勢いのわりにはカタコトなのがかっちょ悪い。 私の言いたいことがどこまで伝わったかはわからない。が、彼はそのまま黙り込んだ。<いったいいつまでつづく?> |